⻑野欧州貿易支援機定時総会レポート

開催日2024年11月29日


 ⻑野欧州貿易支援機構は、11月29日、佐久市で今年の定時総会を開催しました。
県外会員の増加を踏まえ⻑野欧州貿易支援機構”から“日本欧州貿易支援機構”に名称変更することが正式決定。来年以降は、⻑野県はもちろんより多くの全国の企業や団体に参加し てもらえるよう欧州への輸出に向けた支援をさらに強化していきます。



 


⻑野から全国へそして欧州に “日本欧州貿易支援機構”発足


 ⻑野欧州貿易支援機構は、今回の総会で組織の名称を日本欧州貿易支援機構に変更する 議案を提案し、全会一致で可決されました。その理由について、笹沢代表理事は「パリの GOÉN 開店以降、⻑野県以外からの会員が増えてきました。県外での営業活動を進めていく中で、どうして⻑野の地域団体に入るのかという反応があった」として、⻑野という名 称が県外の団体にとって入会を検討する上で抵抗感があると述べました。また、⻑野県外か らの問い合わせや入会を前向きに検討する団体が多くみられたことも今回の名称変更の後 押しとなりました。名称の変更には全国でさらに参加団体を増やしていく狙いがあります。 それを踏まえて笹沢代表理事は「欧州への輸出には『覚悟・根性・根気』が何より大事だ」 と改めて訴えるとともに来年以降、新たな支援策を検討していることを発表しました。

 


 

➀目標設定シートの作成
⻑野欧州貿易支援機構は欧州輸出を目指す出展者向けに目標設定シートを作成します。 商品の欧州輸出に向けたテストマーケティングの場として GOÉN を提供し、その売上状況 などを出展者に報告しています。そこで⻑期的な視点で欧州輸出に取り組んでもらうため、 目標を予め設定してもらいます。機構としては各出展者のニーズを把握し、目標やその進捗 状況を見ながら各団体に合わせた輸出支援を今後強化していく予定です。

②静岡市の GOÉN への出展 輸出コスト削減へ清水港との連携模索
静岡市が GOÉN へ出展することになりました。これに合わせて⻑野欧州貿易支援機構では、 静岡市の物流会社、鈴与と清水港経由での欧州輸出の実現に向けて検討を進めています。 具体的には清水港で冷凍船に通常の積み荷に加えて、GOÉN へ出展する商品も一緒に載せ る混載便を考えています。欧州への輸出において特に冷凍が必要な商品の場合、どうしても 輸出コストが高くついてしまうことが課題でした。清水港で冷凍船の混載便が実現すれば、 輸出にかかる費用が抑えられ出展者の負担軽減につながることが期待できます。



 

欧州から欧州へ GOÉN の売り場を再現した EC サイト

「欧州から欧州への輸出を実現したい」。GOÉN で日本からパリへの販売はできても、 GOÉN からほかのヨーロッパの国への販売にまでは至っていない。しかしこのシステムを 導入すればそれも近い将来可能になるかもしれない。そんな期待を持たせてくれるのが、

佐久市の IT 企業ビーブレックスが開発した映像ショッピングシステム「Pixtus(ピクチャス)」。

店内を撮影し、その画像をこのシステムの中に取り込むことで、売り場の様子を PC 画面上 でも視認できる EC サイトを実現。店内が映る PC 画面上をクリックしたりマウスを動かし たりすれば、店内の様子を見たり、商品を購入したりすることができるようになっています。


 
 

現地に直接行かなくても店内の行き来や商品購入などが疑似体験できるのが特徴だ。

今回の総会ではビーブレックスの小林隆社長によるGOÉNをモデルにしたシステムの実演が行われました。この中で小林社長はコロナ禍以降のEC市場の急拡大を踏まえECサイトの可能性についても言及。海外客向けの代理購入会社を活用すれば、自社のECサイトで海外から注文が来てもその会社に商品を納品すれば販売は可能だというビジネスを提案しました。海外からでも店内の様子が分かるこのシステムの強みは生かせるのではないか。

小林社長は「正会員になる前段階で自分たちが開発したシステムを活用して海外輸出に挑戦してみるのもありではないか」と話していました。